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公開日: 2026.04.30

更新日: 2026.04.30

相続集客で選ばれるための戦略とは?士業・事業者が実践すべき手法と成功の秘訣

相続分野は、高齢化や単身世帯の増加を背景に需要が伸び続けています。一方で、「リスティング広告のCPAが合わない」「問い合わせは入るが受任につながらない」といった悩みは現場で頻繁に聞かれます。

相続集客が難しい理由は、「今は必要ないが、いずれ動く」という層が市場の大半を占める点にあります。顕在化した検索層だけを追っても母数はすぐに頭打ちになり、潜在層との接点づくりが成果の分岐点です。

本記事では、相続市場の現状からシニア世代への向き合い方、3段階の施策設計、そして相談数を伸ばした改善事例までを整理します。

相続マーケットの現状と「集客」の難しさ

相続はニーズが拡大する成長領域である一方、広告だけでは成果が伸びにくい領域でもあります。市場拡大の背景と、検索広告中心の集客が頭打ちになる理由を整理します。

相続市場の全体像と拡大の背景

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相続ニーズが広がる最大の要因は、人口構造の変化です。総務省統計局によれば、2025年9月15日時点で65歳以上人口は3,619万人、高齢化率は29.4%と過去最高を更新しました。内閣府の令和7年版高齢社会白書では、2037年には高齢化率が33.3%に達し、国民の3人に1人が65歳以上になると推計されています。

人口そのものの変化だけでなく、世帯の姿も変わってきました。高齢の一人暮らし世帯や子どものいない夫婦が増え、「家族が当然にあとを引き受ける」という前提は通用しにくくなっています。「子どもがいないので、自分の財産を誰に託せばよいか分からない」「遠方の家族に手続きを頼みづらい」といった相談が、現場では増えています。

相続の相談は、相続が発生した瞬間に始まるとは限りません。数年前から漠然とした不安を抱え、情報を探している層の方がはるかに多いのが実情です。この「相続発生前の潜在ニーズ」を視野に入れることが、集客戦略の出発点になります。

出典:総務省統計局「統計トピックスNo.148 統計からみた我が国の高齢者 -『敬老の日』にちなんで-」 / 内閣府「令和7年版高齢社会白書」

相続集客におけるリスティング広告の限界とCPA高騰の理由

相続集客の入口としてまず検討されるのがリスティング広告です。「相続 相談」「遺言書 作成」といった検索は相談意欲が高く、すぐに問い合わせにつながりやすい面があります。ただし、この手法に依存し続けると早々に頭打ちが訪れます。

理由のひとつは、商材そのものの性質です。相続は住宅や保険と同様、検討期間が長く理性的に比較される「買い周り品・専門品」にあたります。ニーズが顕在化するまでの潜在期間が長く、検索行動に至る「今すぐ層」の母数が限られてしまうのです。

もうひとつが競争環境です。司法書士・税理士・行政書士・弁護士に加え、不動産会社や葬儀関連事業者、終活支援事業者も参入しています。限られた顕在キーワードを多数の事業者が取り合う構図のため、クリック単価もCPAも高止まりします。

参考として、シニア向けの住み替え領域では、3か月以内に動きそうな「今すぐ層」が約640世帯に対し、5年以内の「そのうち層」は約1万2,000世帯と、およそ9倍の開きがあります。相続分野でも構造は同じで、顕在層の刈り取りだけで伸ばし続けるのは難しいといえます。

データで解き明かす「シニア世代」の真実とバイアス

相続集客の精度を上げるには、ターゲットであるシニア世代を正しく理解する必要があります。しかし現場では、古い先入観をもとに施策が組まれているケースが少なくありません。ここでは「デジタル弱者」という誤解と、シニアを多面的に捉えるための4つの観点を整理します。

「シニア=デジタル弱者」という誤解とスマートフォンの利用実態

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相続集客を設計するうえで、多くの事務所が引きずっているのが「シニアはデジタルに弱い」という思い込みです。しかし直近のデータを見るかぎり、この認識はアップデートが必要です。

総務省の通信利用動向調査では、60代のインターネット利用率は80%を超え、スマートフォン利用率も70%を超えています。相続を検討する世代の多くは、すでに自分で検索し、比較し、口コミも読んでいます。

ただし、若年層と同じ見せ方がそのまま通用するわけではありません。文字サイズ、情報量、導線のわかりやすさ、売り込み表現の強さ。こうしたポイントへの配慮が、届くか届かないかを分けます。

出典:総務省「令和6年通信利用動向調査」

4つの観点(生理・資源・心理・社会)で捉えるシニア特有の行動特性

シニア世代を年齢だけでくくると、施策設計はうまくいきません。相続マーケティングで役立つのが、生理・資源・心理・社会という4つの観点です。 alt

生理的観点

加齢にともない、視力や聴力、情報処理の負荷への耐性には個人差が大きくなります。短い段落、はっきりした見出し、電話番号や相談窓口への動線の見つけやすさといった基本が、そのまま成果に跳ね返ります。

資源的観点

定年退職によって自由に使える時間が増える一方、安定収入が減るため支出への抵抗感は強まる傾向にあります。いきなり高額サービスを提示するのではなく、無料相談、資料請求、セミナー参加といった低ハードルの入り口を用意することで、「まず知ってみる」から「相談してみる」への橋渡しがしやすくなります。

心理的観点

相続・終活は、「新しいサービスで失敗したくない」「まだ考えたくない」という回避の感情が強く働く領域です。見込み客は「不要だから動かない」のではなく、「必要だと分かっているのに動けない」状態にいます。情報を整理するコンテンツや、安心できる相談体験で、心理的なハードルを下げていく設計が欠かせません。

社会的観点

家族構成や相談できる相手の有無は、相続の意思決定に大きく影響します。単身高齢者や子どものいない夫婦では第三者への相談ニーズが高まる一方、知らない士業に連絡するハードルも高くなりがちです。地域コミュニティや終活講座など、普段から接している場所を入り口にする発想が効きます。

成功する相続マーケティングの秘訣

相続集客で成果を出している事業者は、ターゲットを絞り込み、相続発生前から信頼を積み上げています。「相続全般」を漠然と打ち出すより、誰のどんな悩みに応えるのかを明確にすることが、選ばれる事務所の条件です。

おひとり様ターゲットの集客

相続集客と相性が良いターゲットの代表が「おひとり様」です。未婚、配偶者との死別・離別、子どもがいないなど、死後の手続きや財産承継で家族に頼りにくい方々を指します。

おひとり様は、意思決定のフローが比較的シンプルで、本人の不安や課題にまっすぐ応える訴求が機能しやすい層です。動き始めるきっかけも具体的で、親の介護や看取り、自身の入院、友人の訃報、そして甥姪の子の誕生で財産の行き先を意識するケースなど、ライフイベントが引き金になります。

バナーやLPの訴求では、「自分にもしものことがあったとき、頼れる家族がいない方へ」「子どもがいない夫婦のための相続準備」など、生活者の言葉に寄り添う入口を用意すると共感が生まれやすくなります。

相続発生前からの信頼構築

相続マーケティングの本質は、「必要になったときに最初に思い出してもらう」状態をつくることです。鍵になるのが「売らない営業」の発想で、まだ行動段階にない潜在層に申し込みを迫るのではなく、役立つ情報を地道に届けることで、「説明が分かりやすい」「押し売りしてこない」という印象を育てます。

接点チャネルも自社メディアに限定する必要はありません。シニア向けコミュニティ、パーソナルトレーナー、終活講座、介護関連サービス、葬儀社、不動産会社など、すでに信頼関係が築かれている窓口との連携は、心理的ハードルを大きく下げます。普段接している場所から自然に相談へつながる流れの方が、相続分野には合っています。

集客の成果を最大化する3つの施策

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相続集客は、今すぐ層・そのうち層・潜在層をひとつの広告でまとめて拾うことはできません。それぞれの検討段階に合わせた施策を組み合わせる設計が、成果を左右します。

フェーズ1:顕在層の確実な刈り取り

最初に整えたいのは、今すぐ相談したい顕在層を取りこぼさない土台です。アフィリエイト、リスティング広告、LPの最適化がここに該当します。

ポイントは「相続 相談」のような広すぎるキーワードだけで戦わないことです。「おひとり様 相続」「子どもがいない 相続」「相続不動産 売却」など、悩み別にページを分けて検索意図と訴求を一致させれば、受任確度は大きく変わります。LPの設計では、専門性の羅列ではなく「誰のどんな悩みに応えるのか」「費用と流れは明快か」を伝えることが重要です。

フェーズ2:潜在層へのアンケート・セミナー施策

差がつくのはこのフェーズです。市場の大半を占める「そのうち層」にどれだけ接点をつくれるかで、中長期の成果は大きく変わります。

有効な打ち手のひとつが、アンケート型施策です。アンケートという形式は「広告感」を薄められるため、売り込みに警戒的なシニア層でも入り口として機能します。「相続に不安はありますか」「家族に迷惑をかけたくないと感じますか」といった問いが、自分ごと化のスイッチになります。

もうひとつが合同セミナーで、「何から始めればよいかわからない」という最大の悩みに応える手段となります。「おひとり様の終活入門」「子どもがいない夫婦の相続対策」のような特定テーマ特化のセミナーは、潜在層に刺さりやすい傾向があります。シニア層の信頼を集めるコミュニティやメディアと共同開催すれば、参加ハードルはさらに下がります。

フェーズ3:ナーチャリング(顧客育成)による「第一想起」の獲得

相続は接触から受任までの検討期間が長い領域です。獲得したリードを放置しない仕組みが成果の差になります。ステップメール、公式LINE、電話フォロー、定期コラムなどを組み合わせ、役立つ情報を届け続けます。

ナーチャリングの目的は、目先の成約ではなく「必要になったときに真っ先に思い出してもらう」第一想起の獲得です。売り込み一辺倒では逆効果になるため、相続手続きの流れやエンディングノートの書き方など、受け手にとって価値のある情報を軸に組み立てることが大切です。

【事例紹介】リスティングの限界を突破し「相談数2倍」を実現した改善プロセス

alt シニアインサイトを起点にした設計が集客をどう変えるか、終活・相続相談窓口「終活と相続のまどぐち」の改善プロジェクトを紹介します。身元保証を起点に弁護士法人と連携し、相続をワンストップで支援する常設施設です。

改善前の課題

リスティング広告、アフィリエイト、交通広告で今すぐ層の来店予約獲得に注力していたものの、資料請求から来店予約への転換率が低く、実来店者を安定確保する導線が組めていませんでした。さらに「身元保証」「死後事務」といった概念は一般にまだ浸透しておらず、検索ボリューム自体が極めて少ない状況です。「まだ必要ない」と感じる層が多く、動機づけの前段階である「気づき」から設計する必要がありました。

改善策

打ち出したのは、シニアインサイトに基づく3つの施策の組み合わせです。顕在層の刈り取りから潜在層の啓発・ナーチャリングまでを一本の導線として設計しました。

広告感を排除したアンケート型広告
趣味人倶楽部・LINE広告・Meta広告に、売り込み色を抑えたアンケート形式のクリエイティブを配信しました。終活への価値観や不安・準備状況を問う設問を織り込み、回答を通じて「自分は今どこにいるのか」が見えてくる設計としています。

趣味人倶楽部との合同セミナー
シニアコミュニティと共同で開催することで、参加者の安心感を醸成。会場選定、集客設計、セミナー企画、当日の司会進行までを一気通貫で担当しました。都内会場で開催したセミナーには50〜70代のシニアが約40名参加し、10%以上が来店申込に至っています。

録画セミナーを活用したナーチャリング
実施したセミナーを録画し、擬似ライブ形式で定期配信する運用を開始しました。過去の資料請求者や既存来店者に配信することで、少ないリソースでも継続的に来店予約が生まれる構造を構築しています。

3つの施策は単発ではなく、アンケートで自分ごと化を促し、セミナーで理解を深め、資料請求・来店予約へと引き上げる心理導線として組み立てています。

成果
これらの施策により、資料請求や来店予約といった主要CVは累計200件以上に達しました。オンラインセミナーには40名が申し込み、5名が実来店へ。相続という行動ハードルの高いテーマで確かな結果が生まれています。

評価されたのは、アンケート広告で自分ごと化を促し、セミナーで理解を深め、資料請求・来店予約へ段階的に誘導する心理導線の設計です。クライアントからは「単なる広告施策の提案にとどまらず、まるで自社CMOのように事業全体に寄り添ってくれた」という評価も寄せられました。

出典:オースタンス「終活・相続業界で200件超のCVを獲得──媒体社ではなくCMOと評されたデジタルマーケティング支援」

シニアに寄り添う「伴走型」マーケティングが成否を分ける

相続集客の成否は、広告テクニックの優劣ではなく、シニアの行動と心理をどれだけ正確に捉えられているかで決まります。

相続マーケットは「そのうち層」が大半を占め、成約までの検討期間が長い領域です。「今すぐ問い合わせ」を迫る刈り取り型だけでは、本来取れるはずの層を逃し続けることになります。

これからの相続集客で求められるのは、潜在層の心理的ハードルを理解し、わかりやすい情報提供と継続的なフォローを積み上げる「伴走型」の発想です。最新のシニアインサイトに基づく戦略設計こそが、中長期の競争優位を生みます。

シニアマーケティングならオースタンス

相続集客を成果につなげるには、シニア世代を表面的な属性ではなく、行動や心理まで踏み込んで理解することが欠かせません。

オースタンスは、日本最大級のシニアコミュニティ「趣味人倶楽部」の運営で蓄積した知見と、累計200社を超える支援実績を活かし、シニア向けマーケティングを戦略設計から実行まで一貫して支援しています。シニアDXラボでは、相続・終活・金融・住宅など幅広い領域での調査研究レポートやノウハウも継続的に発信中です。

「リスティングのCPAが合わなくなってきた」「潜在層との接点づくりに悩んでいる」「シニアに響く訴求を見直したい」。こうしたテーマをお持ちであれば、シニアDXラボの調査研究レポートやお問い合わせ窓口をご活用ください。

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