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公開日: 2023.02.21
更新日: 2026.03.10
65歳以上人口が3,600万人を超え、総人口の約3割を占める今、シニア市場は企業にとって無視できない規模に成長しています。しかし、「シニア向け」と銘打つだけでは届かない層がいます。 健康や趣味に積極的に投資し、デジタルも使いこなす「アクティブシニア」です。 「シニア層を取り込みたいが、何を軸に訴求すればいいかわからない」。そんな課題を抱えるマーケティング担当者に向けて、本記事ではアクティブシニアの定義や市場背景を整理したうえで、独自調査から見えた消費行動の実態を数値とともに解説します。 集客手法や注意点、成功事例まで網羅していますので、シニアマーケティングの戦略設計にぜひお役立てください。
シニアマーケティングを始めるにあたり、まず押さえておきたいのが「アクティブシニアとは何か」という定義と、その層が注目を集めている市場背景です。
アクティブシニアとは、「自分なりの価値観を持ち、仕事や趣味、社会参加に意欲的で、健康意識が高く活発に行動するシニア層」を指します。一般社団法人日本アクティブシニア協会では、アクティブシニアを65歳〜75歳の前期高齢者と定義しています。
出典:一般社団法人日本アクティブシニア協会
この言葉は、2007年に団塊の世代が定年を迎えた頃から広く使われるようになりました。団塊の世代は高度経済成長期やバブル期を経験し、流行に敏感でライフスタイルにこだわりを持つ人が多い世代です。
そうした価値観は定年後も変わらず、「引退したら家でゆっくり」ではなく、引退後のセカンドライフを前向きに捉え、新しいことに挑戦し続ける姿勢がアクティブシニアの大きな特徴です。
もちろん、シニア層のすべてがこうした行動特性を持つわけではありません。健康状態や経済状況、社会との関わり方によって消費行動は大きく異なるため、シニアマーケティングにおいては「シニア=一様ではない」という前提に立ち、自社のターゲットがどのような層なのかを明確にすることが出発点になります。
企業が想定する「シニア」と、当事者が感じている年齢像にはギャップがあるかもしれません。行政上は65歳以上が高齢者とされていますが、本人たちの感覚はもう少し上にあるようです。
オースタンスが趣味人倶楽部の60歳以上の会員を対象に実施した調査では、「敬老の日に祝われる対象は何歳からか」という問いに対し、最も多い回答は「70歳以上」で32.1%でした。次いで「75歳以上」が23.3%、「80歳以上」が16.0%と続き、過半数が70〜75歳以上をシニアの入口と捉えていることがわかります。

さらに同調査では、呼称ごとの想起年齢にも顕著な差が出ています。

65歳前後をターゲットにする場合、「高齢者」「お年寄り」という言葉は当事者の自己認識とかけ離れており、広告やコンテンツに使うと読み飛ばされてしまうおそれがあります。言葉選びのポイントについては、後半の「高齢者(シニア)を集客する際の注意点」で詳しく解説しています。
アクティブシニアが注目を集める理由は、単に高齢者人口が増えたことだけではありません。2007年以降、団塊の世代が順次定年を迎えたことで、消費意欲と購買力を兼ね備えたシニア層が急速に厚みを増しています。
まず人口面では、日本の65歳以上人口は約3,624万人に達し、総人口の29.3%を占めるまでになりました。少子高齢化が進む中で、シニア市場は企業にとって見過ごせない規模です。
出典:内閣府「令和7年版高齢社会白書」
就業面でも変化は顕著です。65歳以上の就業者数は21年連続で増加し、930万人と過去最多を記録しました。働き続ける高齢者が増えることで、所得や外出頻度、情報接触の機会が広がり、アクティブシニア層の厚みが増しています。
出典:総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
アクティブシニア層の購買力も見逃せません。内閣府の高齢社会白書によると、家計金融資産の約3分の2を60歳以上の世帯が保有しています。人口のボリュームだけでなく、消費を支える経済的な裏付けがある点が、シニア市場が注目される大きな理由です。
出典:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」
ただし、高齢世帯の中にも資産格差は存在します。「シニア=富裕層」と一括りにするのではなく、ターゲットとするシニア層の特性を具体的に把握したうえで施策を設計することが重要です。
アクティブシニアを正しく理解するには、統計の全体像だけでなく、実際のシニア層がどのような行動や意識を持っているかを具体的に知ることが欠かせません。
ここでは、オースタンスが運営する「趣味人倶楽部」の会員を対象にした独自調査のデータを中心に、アクティブシニアの特徴を以下の4つの切り口で掘り下げていきます。
アクティブシニアの多くは、加齢に伴う変化を放置せず、健康と美容の両面で積極的にケアを行っています。
調査では、60歳以上の会員の87.7%が「健康のために普段から心がけていることがある」と回答しました。具体的な取り組みの上位は以下の通りです。

また、健康サプリを現在飲んでいると答えたシニアも48.1%に上り、約半数が日常的に健康維持のための支出を行っています。

一方で、意識と行動のギャップも見られます。65歳以上の会員を対象にした調査では、61.4%が「認知症予防は必要」と回答したものの、実際に予防行動を取っているのは37.7%にとどまりました。

行動しない理由の最多は「何をしていいかわからない」で69.4%です。

つまり、健康関連の商材やサービスでは、「具体的に何をすればいいか」を丁寧に伝えることが獲得の突破口になります。「必要だとは思っているが動けていない」層に対して、行動のハードルを下げる情報設計ができるかどうかが差別化のポイントです。
美容面でも、悩みを抱えながら積極的にケアに取り組む姿勢は共通しています。45歳以上の女性会員を対象にした調査では、70.6%が「現在、肌に悩みがある」と回答しました。

主な悩みは以下の通りです。

エイジングケアを意識的に実施しているシニアは53.1%で、紫外線対策(77.7%)、適度な運動(74.1%)、保湿(71.4%)が上位に挙がりました。

スキンケア商品の選定基準には男女差があり、女性の1位は「自分の肌に合うか」、男性の1位は「価格」でした。性別によって訴求の切り口を変える必要があるといえます。

健康・美容の両分野に共通するのは、「意識は高いが、何をすればいいかわからない」「意識は高いが、何が正しいかわからない」層が一定数存在する点です。
企業にとっては、この「意識と行動のギャップ」を埋める情報提供が、商品やサービスへの入り口になります。
「シニアはデジタルに弱い」という固定観念は、もはや過去のものになりつつあります。
シニア層のネット利用率は、以下の水準に達しています。
年齢帯によって差はあるものの、いずれも過半数を超えています。
また、趣味人倶楽部の45歳以上の会員を対象にした調査では、ネットショッピングの経験がある人の割合は96.2%に上ります。
注目すべきは利用デバイスの内訳です。

スマホの普及が進んでいるとはいえ、実際の購買行動では「画面の大きさ」「比較のしやすさ」「落ち着いて操作できる環境」からPCが選ばれている可能性が高いといえます。
この結果は、シニア向けのECサイトや広告の遷移先設計において、「スマホ最適化だけでは不十分」であることを意味しています。PC画面での可読性や入力のしやすさにも同等の配慮が求められます。
アクティブシニアの特徴として見落とされがちなのが、「学び」への意欲の高さです。
高齢社会白書(学習・社会参加に関する調査)によると、この1年間に何らかの学習をしたことがある割合は、60代で55.0%、70歳以上でも42.5%に上ります。さらに「今後学習したい」と答えた割合は、60〜69歳で81.4%、70歳以上で62.6%と非常に高い水準です。
学習の形式には年代差があります。60代ではインターネットを活用した学習が16.5%で最多だった一方、70歳以上では公民館や生涯学習センターなどの公的機関が16.2%で最多となっています。
この差は、アクティブシニア向けの情報設計やサービス提供において重要な意味を持ちます。オンライン完結型の設計だけでは70代以上の層を取りこぼす恐れがあるため、対面講座や紙の資料、電話サポートといった補助的なチャネルを用意することで到達範囲を広げることができます。
「学び」というキーワードは、健康食品の正しい選び方を教えるコンテンツや、デジタルツールの使い方講座など、商材やサービスへの導線としても活用しやすい領域です。「売り込み」ではなく「教える」という入り口を設けることで、アクティブシニアの信頼を得やすくなります。
アクティブシニアの消費行動を語るうえで欠かせないのが、「自分らしさ」へのこだわりです。
ソニー生命保険が50〜79歳を対象に実施した「シニアの生活意識調査2024」では、現在の楽しみとして「旅行」「テレビ/ドラマ」「グルメ」「映画」「読書」が上位に並んでいます。
ここで言う「前向きな消費」とは、浪費ではなく、健康・時間・体験・つながりに価値を見出す支出のことです。
アクティブシニアは「安いから買う」のではなく、「自分の生活を豊かにするものに納得して投資する」消費者です。企業が訴求する際には、価格の優位性よりも先に、「なぜこの商品が自分に必要なのか」という意味づけを丁寧に伝えることが鍵になります。
アクティブシニアのデジタル活用度が高いことはここまで見てきた通りです。では、実際にネット上ではどのような買い物をしているのでしょうか。ここでは、趣味人倶楽部会員への調査をもとに、ネットショッピングを利用する動機と、よく購入されるカテゴリーを見ていきます。
アクティブシニアのネット購買を支えているのは、「安さ」ではなく「身体的・時間的負担の軽減」です。
ネットショッピングのメリット(複数回答)として、以下が上位に挙がっています。

「実店舗より安い」は6位にとどまり、利便性に関する項目が上位を占めています。自宅でゆっくり選べること、重い荷物を運ばなくて済むこと、複数の店舗を回らなくてよいこと。こうした「身体的コストの削減」が、ネット購買を選ぶ最大の動機になっています。
「口コミやレビューを参考にできる」も37.8%と、3人に1人以上が重視しています。アクティブシニアは「失敗したくない」という意識が強く、第三者の評価を意思決定の材料にする傾向があります。
月間のネットショッピング消費額を見ると、「1〜5千円未満」が21.5%、「1〜3万円未満」が30.6%でボリュームゾーンを形成しています。月5,000円以上を支出している層は全体の約半数を占めており、ネット購買が日常の一部として定着していることがわかります。

ショッピングサイトを選ぶ際の重視点(複数回答)についても、特徴的な傾向が見られます。

価格・送料が上位を占める一方で、「検索のしやすさ」や「品揃えの豊富さ」も重視されており、価格だけでサイトが選ばれるわけではないことがわかります。
加えて、購入デバイスはPCが82.3%で最多であるため、サイト設計でもPC環境を軽視できません。文字サイズやコントラスト、入力フォームの簡素化、レビュー表示の見やすさなど、PCでのユーザー体験を丁寧に設計することが求められます。

アクティブシニアのネット購買は、デジタル商材に偏っているわけではありません。日常的なカテゴリーにも広く浸透しています。
NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、60代のパソコンでの購入品目は「食品」「洋服類」「書籍」などが上位に並んでいます。60代女性では「化粧品」も多く、食・衣・美容の日常カテゴリーでのネット購買が定着しつつある状況がうかがえます。
前述の「利便性」「品揃え」重視の傾向を踏まえると、重いものやかさばるもの(飲料や日用品のまとめ買い)、比較検討が必要なもの(趣味用品やサプリの継続購入)といったカテゴリーとの親和性が高いと考えられます。配送してもらえる、店舗を回らなくてよい、自宅でじっくり比較できるという点が、こうしたカテゴリーと相性がよいためです。
企業がアクティブシニア向けにEC展開を行う場合は、「日常の延長線にあるカテゴリー」をネット購買に乗せる視点が重要になるでしょう。
アクティブシニアへの集客は、単一のチャネルでは完結しません。テレビや新聞で認知を形成し、Webで比較検討・購入へ導くという「オフラインとオンラインの連鎖設計」が成果に直結します。ここでは、シニア層に有効な4つの集客手法を紹介します。
シニア層にとって、テレビと新聞は依然として生活の中心にあるメディアです。
総務省の「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、全年代の平日テレビ(リアルタイム)視聴時間は154.7分ですが、60代・70代では依然として最も長い年代です。ただし、60代では前年度から大幅に減少しており、テレビ一強の構図は変わりつつあります。
一方で、「信頼できる情報を得る」ために最も利用するメディアとしては、60代・70代ではいずれも「テレビ」が最多です。情報源としての信頼度も50代以上では「テレビ」が最も高く、認知形成におけるテレビの役割は依然として大きいといえます。
出典:総務省「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
新聞もシニアにとって欠かせない情報源です。新聞通信調査会の調査では、月ぎめ新聞の購読率は40代以下で40%を下回るのに対し、60代で68.2%、70代以上で82.7%に上ります。新聞を読むシニア層は、旅行・リフォーム・投資・健康商品への関心が他年代より高い傾向も見られます。
出典:新聞通信調査会「第16回 メディアに関する全国世論調査(2023年)」
マスメディアの役割は「リーチ」と「信頼の土台形成」にあります。ただし、購入や申込といったコンバージョンは別の導線で発生するため、電話番号や短いURL、QRコードなど「次の行動を促す仕掛け」をセットで設計することが欠かせません。
属性が揃った読者に対して継続的に接触できる点が、会員誌やフリーペーパーの強みです。企業や団体が直接発行するため情報の信頼性が高いと感じるシニア層が多く、掲載される情報やサービスへの信頼感が高まりやすい特徴があります。
たとえば、ジェイアール東日本企画が運営する「大人の休日倶楽部」は、累計会員数約280万人(2023年11月時点)を擁し、会員誌は月刊約110万部(2024年1月時点)を発行しています。旅行や学び、趣味といったアクティブシニアの関心事と相性がよいコンテンツ設計が特徴です。
紙媒体は保管されやすく、繰り返し目に触れる機会を作れるという利点もあります。ただし、紙で読んで終わりにならないよう、QRコードや電話番号を併記して申込導線を明確にしておくことが反響を安定させるポイントになります。
外出頻度の高いアクティブシニアにとって、電車やバスの中で目にする交通広告は有効な接点です。毎日同じ時間に同じ交通機関を利用する人が多いことから反復性が高く、移動の生活導線に乗せることで繰り返しの接触が自然に生まれます。交通機関ごとに利用者層が異なるため、ターゲットとなるシニアが多く利用する路線や駅に絞った出稿も可能です。
ただし、交通広告だけで購買行動を完結させるのは難しい面があります。広告に掲載する情報は端的にまとめ、検索キーワードや電話番号、短いURLなど「次のアクション」を明確に提示する設計が欠かせません。
前述の通り、60代のインターネット利用率は87.8%に達しており、趣味人倶楽部会員のネットショッピング経験率は96.2%です。Web施策をシニアマーケティングから外す理由はもはやありません。
さらに、総務省の令和6年度調査では、60代・70代でも「趣味・娯楽に関する情報」を得るために「インターネット」を最も利用する割合が60代で最多となっています。テレビや新聞に加え、SNS広告やWebメディアを組み合わせることで、より広い接点を確保できます。
ただし重要なのは、Web施策を「スマホ前提」で単純化しないことです。前述の調査でネット購買デバイスの最多はPCで82.3%であり、PCでの可読性や操作性が離脱率に直結します。
具体的には、文字サイズとコントラストの確保、入力項目の削減、レビューや口コミの見やすい配置が求められます。「使い慣れたサイトを選ぶ」傾向も強いため、頻繁なUI変更は学習コストを増やし逆効果になりかねない点にも注意が必要です。
さらに、Web広告の役割は短期的な獲得だけにとどまりません。60代の学習形式としてインターネットが最多だった調査結果を踏まえると、「選び方ガイド」「使い方動画」などの教育コンテンツを並走させることで、比較検討段階の信頼獲得にもつなげられます。
シニア向けの集客施策を実行するうえでは、「何を伝えるか」だけでなく「どう伝えるか」にも細心の注意が必要です。ここでは、言葉選びとクリエイティブ・デザインの2つの観点から、見落としがちな注意点を整理します。
シニア向けの広告やコンテンツでは、呼称の選択がコミュニケーションの成否を左右します。
先述の調査によると、「シニア」の想起年齢は平均62.6歳であるのに対し、「高齢者」は72.3歳、「お年寄り」は75.9歳でした。65歳をターゲットにする場合、「高齢者」「お年寄り」という語は当事者の自認と10歳近いズレが生じます。
これは単なる言葉の問題ではなく、反応率に直結する実務課題です。「自分は高齢者ではない」と感じている層に「高齢者向け」と銘打った広告を出しても、そもそも目に留めてもらえない可能性があります。
実務上の指針としては、ターゲットが60代〜前期高齢期の場合は「シニア」「大人世代」「セカンドライフ」など、年齢による線引きの感覚が薄い語を選ぶのが無難です。あるいは、「高齢者」という表現を避けて「75歳以上の方々」のように具体的な年齢で言い換えることで、ネガティブな印象を与えずにターゲットに届くメッセージにできます。
一方で、介護や福祉など制度文脈が前面に出る場面では「高齢者」を使う合理性がありますが、その場合は「制度上の定義として」といった補足を添えると受け手の抵抗感を和らげることができます。
「正しい単語」を探すよりも、「その言葉が読み手にどう受け止められるか」を想像する姿勢が大切です。
アクティブシニア向けの広告やWebサイトでは、「高齢者への配慮」と「誰にとっても使いやすいデザイン」を両立させることが理想です。
公的な指針として、W3Cが2023年に勧告したWCAG 2.2があります。「高齢者や障害者を含めて誰もが利用できること」を目的とした基準で、商用クリエイティブに落とし込む際にも参考になります。
WCAG 2.2の考え方も踏まえ、実務で最低限押さえておきたいポイントは以下の5点です。

これらは「親切なデザイン」というよりも、コンバージョンの手前で離脱を防ぐための必須条件です。 シニア向けUI/UXの具体的な改善手法については、以下の資料もあわせてご活用ください。
実際にアクティブシニア層の集客に成功している企業は、どのような施策を行っているのでしょうか。ここでは、健康食品と美容の2つの分野から、参考になる事例を紹介します。
通販を基盤とするやずやは、シニア層に広く支持されている健康食品企業です。
公式サイトでは商品一覧や定期便の仕組みが明快に整理されており、問い合わせ導線として電話番号が目立つ位置に配置されています。特に定期便においては、「継続回数の決まりがない」「インターネットから休止・中止ができる」といった点を明確に訴求しており、継続購入への心理的ハードルを下げる設計が読み取れます。
出典:やずや公式サイト
アクティブシニア向けの施策として参考になるのは、「効果の実感」「安心感」「継続のしやすさ」を同時に満たしている点です。前述のスキンケア調査でも決め手として「効果がある」が最上位だった結果と通じる考え方であり、健康関連商材を扱う企業にとってヒントになります。
また、オンラインでの購入が主導線でありながら、電話サポートを残すことで「人に相談したい」層の離脱を防いでいる点も注目に値します。
ウィッグ事業で知られるアートネイチャーは、購入までの検討期間が長い商材をアクティブシニアに届けている好例です。
同社はオーダーメイドウィッグにおいて、3D型取りによる頭部形状の精密計測など、個別最適のフィット感を前面に打ち出しています。高額かつパーソナルな商材であるため、対面での説明や体験が購買決定に大きな影響を与えます。
一方で、最初の接点形成はオンラインでも十分に成立します。本記事で紹介した通りアクティブシニアのデジタル利用は進んでおり、「Web広告やSNSで興味を持ってもらい、店舗で体験・相談を経て、購入を決める」という導線設計が合理的です。
アクティブシニア層にとって「見た目の若々しさ」は、自信や外出意欲、ひいては社会参加を支える重要な要素です。美容への自己投資意欲の高さと照らし合わせても、この領域には大きな市場の可能性があるといえます。
アクティブシニアへのマーケティングで最も重要なのは、「シニア=受け身の消費者」という先入観を捨てることです。本記事で紹介した調査データが示すように、この層は健康や美容に積極的に投資し、ネットで情報を収集・比較し、納得したうえで購入を決めます。
つまり、アクティブシニアに響く施策は「安さで引きつける」ではなく、「なぜこの商品が自分に必要なのか」を丁寧に伝えることです。利便性や口コミによる安心感が購買動機の上位に来ている事実は、価格競争ではなく価値訴求で勝負すべきことを意味しています。
集客設計においては、オンラインとオフラインを分けて考えないことも重要です。テレビや新聞で信頼を築き、Webで比較検討させ、必要に応じて対面で後押しする。この一連の流れを途切れなくつなぐことが、成果を出す施策の共通点です。
自社のターゲットが本当にアクティブシニアなのか、それともディフェンシブやギャップに近いのか。まずはそこを見極めたうえで、本記事のデータを施策設計の土台としてご活用ください。
本記事で紹介した独自調査データの多くは、株式会社オースタンスが運営するシニア向けコミュニティサービス「趣味人倶楽部」の会員を対象に収集されたものです。
趣味人倶楽部は会員数約42万人、月間約3,000万PV、平均滞在時間約11分という規模を持つ、日本最大級のシニア・中高年向けSNSです。
オースタンスでは、この趣味人倶楽部のコミュニティデータとシニア行動の知見を活用し、企業のデジタルプロモーション支援をワンストップで提供しています。
シニア層の興味関心に合わせた広告配信、タイアップコンテンツの制作、調査リサーチなど、シニアマーケティングに必要な機能をまとめて利用できる点が強みです。
アクティブシニアへのアプローチは、「高齢者扱い」ではなく「自分らしく生活を豊かにする提案」として設計すること、「価格」よりも「利便性・安心・納得感」を前面に出すこと、そしてオフラインとオンラインの接点を途切れなくつなぐことがポイントになります。
こうした設計を、データに基づいて実行できるパートナーを探しているマーケティング担当者の方は、ぜひオースタンスへご相談ください。